2015年7月22日水曜日

農民のモンサンミッシェルへの道路封鎖の謎 中間搾取産業はノルマンディーの肉や牛乳を買って欲しい

フランス各地で数週間にわたり問題になっていた農産物の生産者販売価格の低下でついにノルマンディーで怒りが爆破した。農家はトラクターや耕運機、トラックを動員してデモを行ってステファン・フォール農相に現地を見に来るように要求した。2日前からは幹線道路を封鎖して抗議し始め、21日午後にはこの地方の有名なモンサンミッシェルへの道路も封鎖された。農民は消費者が大手のスーパーマーケットで買う肉や牛乳などの値段と、農家の卸し値とに大きな開きがあり、中間搾取を指摘している。そしてフランス国内で消費される牛肉や豚肉などがドイツやスペインなどから来ていることを批判し、現地の肉を買ってほしいといっている。(パリ=飛田正夫 2015/07/22 14:20日本標準時 )
ステファン・フォール農業相は当初は現地には行かないと宣言していたが、あまりの農民の抗議の激しさに終に折れて21日夕刻にカーン市へでかけた。22日に交渉はパリで再開される。

しかし農民がわにはこの封鎖を解くための交渉なら受け入れないという者も多く、もっと抜本的な構造の問題を解決しないと納得しないとしている。

観光地の場合には土地の肉や野菜や果物や魚貝類などを訪問したついでに消費したり買ったのが昔しの旅であり、交通があまり発達してなかった時代の風物で楽しみでもあった。今はどこから来たのか分からないものが商店に並び売られるようになった。レッテルの名ばかりで中身の異なる有名無実の商品が一般的なのは、ノルマンディーの農民や牧畜産業は無くても別で代用できるので困らないということを物語っている。

スーパーマーケットや観光産業などの中間業者の利益の拡大化が、現地の牧畜や農業生産者と消費者側とを共に騙したような産業構造のあり方であって、これが疑問視されてきていることをものがたっている。モンサンミッシェルへの道路を封鎖したことは一見謎めいているが、このことをノルマンディーの生産農家が問うている抗議デモなのではないか。

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【参考記事】

Éleveurs en colère : le Mont-Saint-Michel dépourvu de touristes

Les éleveurs continuent de bloquer le Mont-Saint-Michel mardi 21 juillet et les professionnels du tourisme perdent de l'argent.

http://www.francetvinfo.fr/economie/emploi/metiers/agriculture/crise-des-eleveurs/eleveurs-en-colere-le-mont-saint-michel-depourvu-de-touristes_1009017.html