2016年9月8日木曜日

サルコジのメディア弾圧 仏テレビジョン前総局長が暴露 

モネの絵がある有名なマルモッタン美術館の館長であるフランス・テレビジョンの前総局長のパトリック・カロリス氏は、本「les Ailes intérieures」を9月5日に出版した。カロリス氏とパリジィエン紙と今日のフランス紙とのインタビューがあり、その中で、仏国営テレビ放送の総局長時代に当時の仏大統領ニコラ・サルコジから仏国営放送テレビA2のサルコジに都合の悪い批判的なジャーナリストを辞めさせるようにカロリス氏に圧力があったことを暴露した。カロリス氏によると、特に、「私たちは寝ない」という政治批判の深夜番組の司会者のローラン・ルキエル氏を辞めさせるように圧力があって、もし辞めさせなければ総局長を再任しないと脅迫され、実際このサルコジの圧力に従わなかったために役職を外された。レミー・ピュフラン氏がフランス・テレビジョン総局長にサルコジから任命されている。

実際、最近はジャーナリストのアルレット・シャボーさんの顔が見えなくなっていると心配していた矢先でもあり、フランス・テレビジョンがサルコジ寄りになっていたとは薄々感じてはいた。それを何度か私のブログでも指摘してきた。
いまの国営放送局のジャーナリストはサルコジが2002年に大統領に就任した時に局長クラスを任命した影響が続いて非常にサルコジ寄りになっていると見られる。今回もサルコジは裁判所にビグマリオン事件で裁判所への出廷がパリ検事に要請されたが、この報道も打ち消す方向で対処されている。2017年の仏大統領選挙のLC内代表者を決める予選選挙(プリメール)の後で報道すれば、サルコジがこのプリメールに勝ってしまえば、党の候補者として裁判を回避できる権利が生ずるからだ。これはメディアが政治家とグルになった危険な市民誘導の全体主義化を意味することになる。フランス・テレビジョン前総局長のパトリック・カロリス氏の今回の本の出版や各種メディアでのインタビューでのサルコジのメディア弾圧の暴露はフランスの民主主義の為にも非常に重大であった。
サルコジが辞めさせようとしたジャーナリストはいずれも有名な人ばかりだ。パトリック・セバスチャン、ローラン・ルキエル、フランツ・オリヴィエ・ジスベール、アルレット・シャボー、パトリス・デユアメルなどだ。デユアメル氏はこのサルコジの要求を知っていて自ら辞任をしたという。
【参考記事】
http://www.lci.fr/tele/patrick-de-carolis-aurait-refuse-de-virer-laurent-ruquier-sur-ordre-de-nicolas-sarkozy-2001856.html
http://www.europe1.fr/medias-tele/patrick-de-carolis-raconte-les-pressions-de-sarkozy-pour-faire-virer-ruquier-2840047
http://www.sudouest.fr/2016/09/08/tele-selon-patrick-de-carolis-sarkozy-voulait-faire-virer-laurent-ruquier-2492984-4693.php
http://www.20minutes.fr/television/1920243-20160907-nicolas-sarkozy-fait-pression-patrick-carolis-vire-laurent-ruquier-patrick-sebastien
http://www.lesinrocks.com/2016/09/news/patrick-de-carolis-accuse-nicolas-sarkozy-davoir-pression-lui-virer-animateurs/