2013年7月2日火曜日

タピは仏A2で 仲裁裁判はラガルドが決めたと発言 「集団的詐欺」の組織者がサルコジだとは明かさず

 4日間に渡って「集団的詐欺組織」の疑いで取り調べられた直後に起訴されたスポーツ用品の世界的メーカーのアディダス社長であったベルナール・タピ氏は、7月1日夜のフランス国営放送テレビA2に出演し自分こそ陰謀の被害者なのだと逆立ちさせ問題を摩り替えて自己弁解した。
Revivez l'interview de Bernard Tapie sur France 2 par francetvinfo


David Pujadas - Bernard Tapie par warrant

 そのなかで誰が私設の仲裁裁判を決めたのかという質問には、タピ氏はラガルドだと答えた。ラガルド氏は当時はサルコジ政権下の経済相で現在は国際通貨基金(IMF)総裁だがタピ問題では重要参考人に指名されている。しかしラガルド氏の官房長官を務めていたステファン・リチャード氏はクロード・ゲアン内相(前エリゼ大統領官邸書記総監)が「我々は仲裁裁判をするのだ」といったという証言はこのA2では強調されなかった。またタピ氏はサルコジ氏から指示が出されたのではないと強く否定している。フランソワ・バイル議長(民主運動モデム)などはラガルド氏がこんな莫大な金が懸かっている判断を1人でできるはずがない。サルコジが関係していることは明らかだといっている。国家財産濫用や裁判への政治家の介入という汚職が問題になってきた。

 タピの仲裁裁判を執り行った3人の判事の1人ピエール・エストープ氏を知らないとタピ氏は言っていた。しかし同判事の家宅捜査でタピ氏からの蔵書に献辞があるのが発見された。そこには「貴方の支持が私の裁判所での運命を変えた」と書いてあった。しかしA2ではこの謝辞が仲裁裁判の判決のように取らせてることになっていて、この献辞はそれより以前のタピ所持のオリンピック・マルセーユ・チームの経理事件で牢獄にはいらなければならない所をエストープ判事に助けられたその謝辞であった。つまりタピは仲裁裁判のあった時点でエストープ判事を知っていたのであり、その時に初めて知ったので、それ以前に会ったことはなかったと嘘をついていたのがわかった。

 A2ではタピ氏は15年前はエストープ判事をしらなかったと言っているのは正しい。しかし仲裁裁判は15年前に行なわれたのではないのである。タピは15年前の犯罪でエストープ氏に助けられ、それに対して自分の本に謝辞を書いて送ったのである。

 仏大統領選挙のあった2007年前後に20回近くもサルコジ氏と会っているといわれるが、タピは30回会ったといった。しかし何の目的で会ったのかは司会者のダビッド・プジャダス氏は厳しく問い糾さなかった。

 タピ氏は、「集団的詐欺組織」の主導者は誰かを答えないで、これは陰謀であり自分はその被害者なのだと反対に切り返していっている。これはよくある手口だが、泥棒が物を盗んでおいて、盗ませたのはお前の方なのだ。犠牲者は俺の方だといっているようなもの。タピの思考は逆立ちしているのである。

 タピ氏の私設の仲裁裁判で受け取った賠償金4億ユーロ(約520億円)以上の金はフランス国の税金であった。タピ氏はこの金で豪華船や別荘、新聞社などの買い物をして散財しているが、どれだけ返済できるのかが問題になっているが、焦点は、サルコジ前大統領時代の政治においける国家財産の保護と裁判の中立性がタピ事件で問われている。

【参考記事】

ACCUEIL > JUSTICE > TAPIE SUR FRANCE 2 : "C’EST UN COMPLOT"
Tapie sur France 2 : "C’est un complot"











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