2016年12月20日火曜日

IMF総裁ラガルドに有罪判決 有名人なので禁固刑1年と罰金は特別回避措置

(パリ=飛田正夫 日本時間;‎‎‎‎19/‎12/‎2016:23:0:02:13)パリ裁判所は元仏経済相であったクリスチャン・ラガルド現国際通貨基金(IMF)総裁のタピ事件で公共資金濫用や共謀罪で権力乱用などで1年の禁固が求刑されていたが、12月19日15時にラガルドを有罪と判決をだした。ただし国際的な有名人なので禁固刑や罰金刑は回避する措置がとられたと発表されている。これではあらゆる人は平等に裁かれるべきだとされる裁判の意味を放棄しているともいわれそうな、権力者や有名人に好意的な不平等裁判の批判が出そうな判決となっている。15時の判決宣告を待たずにラガルドは米国に帰ったと15時10分の国営ラジオ・フランス・アンフォは報道した。



ラガルドは、2008年7月7日にベルナール・タピ事件関連でタピ氏に有利な私設簡易裁判を組織して、403百万ユーロ(約500億円)をタピに利益させていたもの。
ラガルドは、事業家ベルナール・タピの持っていたスポーツ用品アディダス社を買った当時の仏国営クレディ・リヨネ銀行の買値と数年後の転売での差額が大きくこれは詐欺であったとして、賠償金を仏国営銀行に要求していた。集団的にタピの為の私設簡易裁判を組織してタピを勝たせて、403百万ユーロ(約500億円)もの金を賠償金として国に支払わせた事件で、当時ラガルドは経済相でサルコジの指導下にあった。サルコジはタピに数回この期間に会っている。今後は、サルコジや今回の裁判で欠席している現フランステレコム社長・元クリスチャン・ラガルド経済相官房室長、クロード・ゲアン元エリゼ大統領官邸総書記官などのこの事件での役割が追及されてゆくことになる。