2015年4月22日水曜日

■移民/今の地中海移民船の悲劇は サルコジが先導したリビア空爆に原因 仏A2とのアサド会見で

リビアなど北アフリカ諸国からの移民船の遭難事件でこの4月前半で1000人が死亡している。現在の地中海世界の破局的状況を理解する上で非常に驚くべき卓見が元仏内相のジャン・ピエール・シュベンヌモン(Jean-PIerre Chevènement)氏によって、2014年8月にラジオヨーロッパ1で発言されていた。地中海世界のリビアなど北アフリカ移民の遭難船の悲劇をどうみるかということだが、そこでは、今日のリビアの政治的経済的な混乱の原因は、サルコジが先導し英国や欧州議会を動かしてリビア空爆を2011年におこなったことに原因があるというのである。これを「マリアンヌ.fr」が掲載しているので紹介したい。
http://www.marianne.net/chevenement-sarkozy-bhl-ont-voulu-faire-menage-libye-c-est-desordre-complet-100232951.html#

2007年のサルコジの大統領当選で、その年の秋にリビアの独裁者カダフィをフランスに国賓招待して友好を深めていたのが、突然にこのリビア空爆の計画を哲学者のベルナール・アンリー・レヴィー(Bernard Henri-Lévy)の推奨で二人で計り空爆を行いリビアを滅ぼす原因を作ったのだというものだ。これが統治者のいなくなった完全な無秩序のリビアにしてしまったというのである。

このようなマリアンヌの紹介は非常に今の政治的状況の真実を物語っているのか、サルコジのリビア空爆を肯定するかのように、国民運動連合(UMP)副議長のナタリー・コシュスコ・モリゼ氏が発言しているのが逆にその事実を示すものとして面白い。

サルコジのこの急旋回には2007年の大統領選挙運動でカダフィからのリビア資金がサルコジに流れていたことが明るみに出てきたために、リビアの独裁者カダフィの所を空爆する必要があったと見られる。もちろん何者かによってリカダフィは殺害されるのだが当時話題になっていたのが仏秘密警察の犯行説である。

リビアの独裁者カダフィをサルコジが見捨てた背景にはリビア資金だけでなく、当時のリビアとの軍・民間の産業取引とは裏腹にそういう独裁者との取引で「アラブの春」の民主化に乗り遅れていたフランス政府のサルコジ大統領をはじめミッシェル・アイオマリ外務大臣(前内相、元防衛相、MAM)の同伴者のオリエ国会連絡相が長年に渡り一緒に20回ほども旅行したり、豪華な招待旅行をうけたりしている事実が、チュニジアの独裁者ベンアリ大統領の国外逃亡の失脚で明らかになってきて、批判の矛先がサルコジの非民主化に向けられてきたためだ。

この批判を返すためにどうしても世論に訴えなければならず、当時の有名な独裁者でサルコジの友人であったカダフィを爆撃することで彼を悪魔祓いして悪い付き合いを絶ったと世間に示す策略をとったと見ることができる。

身を隠していたカダフィの居場所をサルコジに教えたのが、昨日(2015年4月21日
20時からの)フランス国営放送A2のテレビ司会者ダビッド・プジャダス氏と対談したシリアのバッシャール・アサド大統領である。アサドはこの4年間にすでに自国民を26万人も殺害させている責任者である。住居を去った者は650万人を数え、難民は280万人に及んでいる。

フランスの公共テレビがこのような独裁者であり犯罪者であるアサドを映画スターのようにテレビ出演させているのは、これもピンチにあるサルコジのためなのかと考えさせられる。「マリアンヌ」のジャン・ピエール・シュベンヌモン氏を登場させてのリビア難民の責任者がサルコジにあるとする視覚は他のメディア報道と異なり斬新的で面白いし真実に近いだろう。


付け加えると、4月23日夜の仏国営放送テレビ・アンテナ2の番組「特派員」でもパリ大学教授が招待されて、「リビアの国の荒廃の責任の半分は、我々にある」と暗にサルコジのリビア破壊の空爆を指摘している。

なぜこのようにフランスのメディアが言うべきことを口にするようになってきたのか、それはサルコジ前大統領が任命していたレミー・プフィルミン氏の任期切れで、新たなフランス・テレビジョンの総局長がCSA視聴覚高等評議会の集団的選出で今日(4月24日)任命されたことと無関係ではないであろう。

公共視聴テレビ局の総局長をサルコジが任命しているフランスの民主主義 がおかしくなっていて、リビアの独裁者カダフィ等との悪い付き合いをメディアが正しくこれまで批判してこれなかったということだ。オランド大統領が就任してから、国営放送テレビの総局長を自分の好きな人物を任命せずにCSAに任せたのは、サルコジとの大きな違いだ。メディアの権力を握って仏大統領選挙で負けても今のように、虚構の人気を構築してきたのにはこのレミー・プフィルミンの力が大きかったのである。

【参考記事】
http://www.bfmtv.com/international/syrie-c-est-vous-qui-avez-aide-les-terroristes-accuse-bachar-al-assad-sur-ifrance-2i-879437.html

http://rmc.bfmtv.com/point-de-vue/pujadas-interviewer-bachar-al-assad-fait-partie-de-notre-devoir-d-information-642845.html

http://reunion.orange.fr/article3353018,3353018.html

http://www.marianne.net/chevenement-sarkozy-bhl-ont-voulu-faire-menage-libye-c-est-desordre-complet-100232951.html#

http://www.bfmtv.com/international/bachar-al-assad-sur-france-2-honteux-juge-un-depute-ps-879445.html




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