2014年7月8日火曜日

サルコジは25億5千万円の「隠し金」も選挙違反の「罰金」として支払うべき 

フランスの法律では大統領選挙運動では運動資金は上限額22509000ユーロ(約33億7650万円)を超えた場合には、それと同額を罰金として支払えばよいことになっている。仏憲法審議会がサルコジ個人に科した363615ユーロ(約5450万円)の罰金は上限超過額であった。しかしこれはサルコジ氏の政治母体である国民議会連合(UMP)が2013年に支払っていた。これは法律違反だが、UMPでは言い訳として、サルコジが後で払うのを代行して払っただけだといっている。ところがそれだけではなくて、ビグマリオン事件が出てきたために、サルコジやUMPの隠し金が問題になっている。サルコジ個人への仏憲法審議会による罰金額はその時点での運動費上限を超過した額である363615ユーロ(約5450万円)であった。しかしそれだけではすなまくなってきたわけだ。2012年の大統領選挙運動資金の上限許容額を超過したが偽造二重請求書として隠された1700万ユーロ(約25億5千万円)の金についても、罰金としてサルコジが支払うべきだとされるわけだ。

この罰金額の中にはサルコジの2012年の大統領運動での演説会場設営担当会社ビグマリオンがUMPと共謀して二重請求書をつくりあげ、UMPがビグマリオンに支払った表向き請求書は430万ユーロ(約6億4500万円)だが、裏の偽造の請求書と表向き請求書との差額分は隠し金となったわけでこれが1700万ユーロ(約25億5千万円)と見られている。この隠蔽資金は大統領選挙運動費用の超過違法金分には当然のこと計算されて申告されていない。法律を遵守すれば、この約25億5千万円の金も罰金としてサルコジが支払うべきだとされるわけだ。7日パリ検事はサルコジ氏を「信頼背徳罪」と「共謀罪」および「犯罪隠蔽罪」の容疑で予備調査を開始した。

罰金の支払いはサルコジ個人に対するものであった。その支持母体であるUMP党に対するものではなかったことは明瞭に認められている。UMPが支払った罰金の小切手のコピーは以下のとおり政治の真実を追う有料ネット・新聞「メディアパー」が7月7日に暴露している。

コッペ国民運動連合(UMP)議長はビグマリオン事件で追い詰められて6月15日に辞任した。サルコジは党の財政困難であることを知りながら、この偽装請求書を使った高価な大統領選挙を作り上げたのは何故なのか?それは隠蔽した金が目的だったと考えられているが目下、パリの検事が司法調査を開始したばかりであり今後の動向をみたい。

同党の選挙運動の出費がかさんでいることをサルコジ氏は知らなかったといっているが、ドブレ仏憲法審議会議長などはサルコジは知っていてやっていたのだといっている。そうすると仏憲法審議会の判断も詐欺的な審議となって法律に触れて問題になってくるだろう。

いずれにしても、サルコジ個人の罰金を、同党が代わって払っていることは重大な違法事件だ。

7月2日にパリ西郊外のナンテール税金・財政汚職違反取り締まり仏中央局に拘置されていたサルコジ氏は、パリ裁判所に起訴された。この夜に民放テレビTF1に出演した同氏は「税金は一銭も不正してない」「私の大統領選挙運動を再度検査するのか?」と不服であった。これに対しドブレ仏憲法審議会議長は「視聴者が勘違いしてはこまる。仏憲法審議会はサルコジの選挙運動資金を全部検査などしていないしその権利もない」と述べている。

一方、コッペ国民運動連合(UMP)議長婦人も党が飛行機代を支払っていることが日曜新聞JDDによって6日に暴露されている。パリ検事が動き出したのだが、前の大統領の一大事だというのに、7日昼のフランス国営放送テレビA2などはまだこれをなにも報道していない。



Interrogé par Mediapart, celui-ci s’étonne des embarras soudains à la tête de l’UMP. « Rien n’étaitcaché, déclare-t-il.