2012年1月1日日曜日

先ず話し出してから学ぶ「tobita式フランス語」(1)


20分でフランス語は話せる。だから講座にもならない。

年末に日本の青年たちと語学について話した。彼等の反応は、フランス語は難しいという。私はフランス語は誰でもが簡単に話せる単純な言語であって、それゆえに国際性があり、日本語と異なり余り疲れない言語であることを説明した。20分でフランス語は話せるようになると言った。

この話せるという意味は、「コマタレ・ブ」とか「ボン・ジュール」とか、「シルブプレ」のような叫びの類ではなくて、意思伝達できる短い会話が対訳無しで自分の意思に従って使いこなせるということである。実際には30分以上かかったが、彼らは突如としてフランス語を話し出した。彼ら自身が大喜びしている。フランス語講座を設ける必要はなく時間はかからなかった。私自身は非常に満足している。

つまり、言語学習においても自虐的で苦労多い「暦劫修行」的なやり方や長時間をかけて結果が少ない「次第梯橙(しだいていとう)」の法門(講座)は時代遅れだということである。

またフランス語は構造言語であって、主語、動詞、目的語、補語の順序がものを言う性格をもつことを強調して話した。それは巨大な数の中国人が話せる言語のそれと同じで、実に簡単で明快なのはこの構造の要求する強さに多くの人々の公用語に成りえる必然性があることを話した。

やはりその意味では、日本語のテニヲハ言語のもつ柔軟ではあるが複雑さに満ちた言語の性格からすると、フランス語などの単純な言語はあまりにも易し過ぎて、誰でもが話すことができるのである。ところが一般的にフランス語は非常に難しい言語だと誤解されて認識されているようだ。これは大きな誤りだろう。

私たち日本人が操る日本語の持つ複雑性からくる意思伝達のあいまいさもあって、ある種の魔術的な不思議な理解を成立させがちな言語体系であることが良く理解されてない。そのために、実はフランス語などの日本語とは異なる構造的な骨格の強い言語の習得では、構造性に欠けた日本語が浸透している頭脳が大きな障害になっているのだと青年たちをひやかした。

私が説明したことは、日本人は誰もが意識せずに、実はフランス語の構造を踏襲したやり方でも、日本語を話していることがあることを示したことである。

問題は、そのようなフランス語の構造を使ってでも日本語を話すことができるにもかかわらず、日常性の中では、このフランス語の構造の順序で日本語を意識して話すことはまずはしないというところに、フランス語などの構造言語の語学習得の困難性を増長させている原因があると話した。


具体的にはどうするのかというと、自分の伝え話したい日本語(文)をフランスの構造に即させて、これを十分に意識しながら、フランス語ではなくて日本語で話すのである。唯、それだけのことなのだ。


S(主語)+V(動詞)+O(目的語)+C(状況補語)の意味


1)何でも良いが、普段話されている日本語の会話なり文章が1つあるとする。

2)これを、先ずは、フランス語の構造で順番に並べ変える作業を、日本語でする。日本語で発音してみることがコツだ。

3)今度は、この2)でできた日本語の文章なり会話(語彙・単語)を、順番を変えずにフランス語の単語・語彙に訳していく作業をする。

4)頭から順番にフランス語の発音をしてゆくだけで、それで立派なフランス語になる。


20分もあれば、ボンジュールやボンソワールなどという叫びの次元ではなくて、誰でもが意思を伝達できる言語を直ぐに話せるようになれることを強調して青年たちに話した。

これが青年たちを前にして、「20分でフランス語は話せる」として、私が話した前口上であった。


(この考えは10数年前から気がついていて、あちこちで少しずつ話してきたものだ。今回はじめて当ブログにアップした。2012.1.1.)


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