2015年11月27日金曜日

オランド仏大統領がロシア訪問でプーチンから確認したこと アサドの国外追放は反対

11月26日のロシアでの、プーチン大統領との会談ではオランド仏大統領は80分に渡り話しあった。プーチンは少しだけ態度が柔らかくなったのは、シリアのダエッシュ・イスラム主義国家組織(IS)の犯行であった13日のパリの同時テロ射殺事件とエジプトでのロシア旅客機全員死亡テロをやっと認めたプーチンは、自国民の手前もありISを批判しなければならなくなったからだ。しかしプーチンはこれまでのガードを崩さなかった。テロリスト=ダエッシュ(Daesh)=イスラム主義国家組織(IS)との戦いでは情報交換などフランスとの協力を更に強化していくことで合意。しかしシリアの独裁者アサド大統領にシリアから出て行ってもらう国外追放には反対した。また今回の訪問では、「テロリスト」に関するプーチン大統領の認識概念がISだけでなく反アサド勢力もテロリストに入れていることが明快になったことだ。この認識はアサドと同じでありプーチンは2011年頃から変化していない。オランドはテロとはISであって、アサドに反対するシリア反体制派蜂起市民をテロリストとは見ていない。(パリ=飛田正夫2015/11/27 13:58日本標準時 )

今回のロシア訪問の成果は、アサドやプーチンが独裁者であることがよくわかったことである。オランド仏大統領もその認識を実感できたのではないか。

ただし、プーチン大統領がシリアの独裁者アサド大統領をどこまで支持するかは次第に分からなくなってきているようである。25万人のシリア自国民を殺害し100万人の国外難民を出した責任者をプーチン大統領と同じくロシアの国民がいつまでも認めるとは思われないからだ。

プーチン大統領に会って握手してニコニコしている安倍晋三首相の映像が、昨夜の「仏-ロ」会談の折りにテレビに映し出された。フランスの視聴者はこれを見る事になった。これは全く恥ずかしいことなのである。