2014年9月22日月曜日

仏国営放送テレビ・アンテナ2出演で また嘘をつくサルコジ  見た人は800万

サルコジは日本に行って福島の地震災害を目前に視察してきたと嘘をついたことは知られている。本当は東京に数時間滞在しただけだった。2012年の仏大統領選挙ではこの嘘である福島視察を誇って対候補者のフランソワ・オランド氏を馬鹿にした発言をノルマンディのカン市の選挙講演でしている。2014年9月21日夜の仏国営放送テレビ・アンテナ2では、サルコジ前大統領が出演して2017年の仏大統領選挙にどうして立候補することにしたのかが問われた。サルコジは2012年に大統領選挙に敗れた時には、もう選挙には出ないと宣言して、政治から身を引いていたからだ。サルコジは朝・昼・晩と嘘をついている人で有名だから話が絶えずころころと変わっても驚かないのだが、聞いている人はしばしば騙される。今回も平気で嘘を言っているのでいくつか下に上げてみた。


▲カラチ事件はとっくの昔に解決済みと嘘をつくサルコジ

その嘘の一つはカラチ事件での発言で、サルコジはとっくの昔にカラチ事件は終了していると発言した。これはとんでもない嘘で調査が始まったばかりなのだ。サルコジが支持したバラデュー元首相(1993-1995)が仏大統領選挙に出馬した2002年の政治運動資金源として、パキスタン側にアゴスタ潜水艦(90B)とサウジアラビア(Arabie saoudite)にフリガート艦船(Sawari I)を売り込んだが、その時の賄賂(当時は合法であった)が還流資金(これは当時も今も違法)となってフランス政府側に流れ込んだ事件であるが。このカラチ事件での還流賄賂がバラデューを肥らせると見て危険視したのが政敵シラク大統領であった。そのためにシラクはカラチへの賄賂支払いをストップさせた。このことでカラチで造船作業をしていたフランス人技師ら12人ほどがパキスタン側からの報復テロで殺害された。還流資金の流れはまだ解明されてないが、サルコジはこのときに財務大臣としてパキスタンとの武器契約でサインをしている。

▲ベッタンクール事件は「申し立て却下」で終わっているという嘘

ボルドー裁判所のジャン・ミッシェル・ジャンティ氏ら3人の予審判事によって裁かれたサルコジ前大統領は拘置処分をうけ15時間の調べを受けた。最後に「申し立て却下」とはなったのだが、その後にモナコの高等法院の地位に天下りを希望していたアジベール判事にその位置獲得を応援してあげる引き換えに、当時ベッタンクール事件裁判で苦しんでいたサルコジはその裁判運営情報をアジベールとその友人の判事に取得させていたことが、サルコジとサルコジの弁護士ヘルゾーグとの携帯電話を別件で盗聴していた警察側からわかってしまった。そのためにベッタンクール事件での「申し立て却下」の判決には大きな誤認があったと見られてきているわけだ。ベッタンクール事件は終結したどころか、大統領が裁判官を権力で飼いならすという民主主義 では考えられない大きな事件に発展している。7月2日にサルコジはこの件で翌日までの拘置から起訴に変更されている。終わってなどいないのである。

▲蛸足のように広がるサルコジの嘘は解決していない

そのほかにサルコジ疑惑はタピ優遇私設裁判事件がある。サルコジ時代の大統領官邸エリゼ宮殿が行った「エリゼ官邸世論調査事件」がある。これは2007年から2012年に大統領官邸が公示なしで世論調査会社の「オピニオン・ウェー」等を使用したもので、これを担当したパトリック・ビュィソンは年額150万ユーロ(約2億2500万円)の報酬を得ていた。同氏の家宅捜査からサルコジによる優遇措置が浮かびあがっている。

その他にもルモンドのジャーナリストへの「ファデット」と呼ばれる大統領官邸エリゼ宮殿からの盗聴事件がありメディアへの圧力問題で問われている。

そしてサルコジの選挙基盤であるUMPの事務総長ジェローム・ラヴリヨウ( Lavrilleux)は、2012年のサルコジ大統領選挙運動の副責であったが、2014年5月26日のBFMテレビでこれが二重請求書を使った違法な資金が隠されていたことが内部告発された。

今回の21日夜の仏国営放送テレビ・アンテナ2に出演したサルコジは自分は全く知らなかった。ビグマリオン(Bygmalion)なんて聞いたこともなかったといっている。しかし自分の選挙運動の資金なのに知らないというのは、無責任な発言であってこれも嘘としか考ええられない。


【参考記事】
http://www.metronews.fr/info/tapie-affaire-des-ecoutes-les-quatre-etonnantes-omissions-de-sarkozy-sur-ses-affaires-judiciaires/mniu!f3xYjHQUHArQ/