2014年3月4日火曜日

プーチン制裁でない政治的交渉で ブリュックセルの欧州議会はウクライナ問題解決へ 

ウクライナの状況が今後さらに悪化すれば新たな冷戦時代の火花を散らすことも予測される極めて難しい慎重を要求される情勢になっている。フランスの立場は3日のブリュックセルの28カ国緊急欧州議会に参加しているロラン・ファビウス仏外相の意見に象徴されるように欧州は一つの意見でまとまるべきだとしている。今日のブリュックセルの欧州議会ではロシアに対し先週にジョン・ケリー米国務長官が主張するG8除籍などの制裁措置や経済的孤立化の制裁をとるべきか?もしくは、ロシアとウクライナとの仲裁調停に欧州がどのように介入できるのかが論じられている。ドイツのアンゲラ・メルケル首相はこの点でロシアのプーチン大統領と2日に話し合って、プーチン氏が政治的話し合いを受け入れたとしている。それを土台にロシアとウクライナとの対話路線の交渉開始を3日の緊急欧州議会で提案したらしい。もしこのドイツのイニシアティブが具体化すれば「前進だ」と仏外相も評価している。政治的な交渉による解決しかないと見るのはベルギーのディディエ・レインデール外相である。

ポーランドのシコスキー外相は、腹をすかせた猛禽が食べにきていることがわかった。自由世界の危機がこれにかかっている。ロシアのウクライナへの介入が重大な禍根を残すと述べている。スウェーデンのビルダ外相は、楽観でありすぎてはいけないとして。ロシアでは武力の行使が歓迎されているかもしれないが、これではヨーロッパと世界のよき友人とはなれないと述べた。しかしロシアのメドベージェフ首相はヤヌコーヴィッチがウクライナの大統領であるとしていることは打ち消しがたい。ロシアは2月28日に逃げたヤヌコーヴィッチ大統領をロシア領内に受け入れて保護することを承認している。

しかしロシア副外相グリゴリ・カラシン氏は2日深夜のロシア第一国営放送で、ロシアは誰も戦争をウクライナとする意思はないとのべている。G8からロシアを除籍しようとする欧米を批判した。まだカラシン氏はロシアとウクライナとの戦争はないと強調している。

3日までの24時間内に、ロシアのトラックや10台のヘリコプター、8台の輸送用飛行機がクリミア半島に入ってきていることはすでにロシアが戦争布告を宣言したことを意味するとウクライナ側は見ている。クリミア半島への軍用機などの駐屯には72時間前の通報が義務づけられているからだ。3月1日からはロシアのバルチック艦隊の4隻の戦艦が背バスとポール港に入った。

ロシアの株式が10%も下落している。ロシアのシベリアからのドイツや中央ヨーロッパへ送られるガス・パイプラインはウクライナを経由するが、これがここでストップされた。

逃亡したヤヌコーヴィッチ大統領を支持する人々がウクライナ内部にはまだいる。そのためにウクライナの自由選挙を実現させることが先ず必要だとする動きもある。

2日、ウクライナの独立を支持する人々が50万人も首都キエフの独立広場に集まった。ウクライナ人民の抗議の波はロシアのプーチン大統領の予測を超えた民主化の高まりを見せている。そのために北大西洋条約機構軍(NATO)と欧州連合はプーチン大統領のロシアを批判し軍隊を撤去して対話による平和的解決を計るように要求する声が高まっていた。しかしヨーロッパのまとまった見解がまだでていない。

仏社会党のシュベンヌモン議員はフランスもロシア制裁ではなく独の提案する線に終結することが大事だとして希望を3日に仏国営ラジオ・フランス・アンフォ(RFI)に招待されて述べた。

シュベンヌモン氏は、経済的にもフランスの自動車の半分はロシアで生産される。フランスはロシアから40万人の旅行者を毎年受け入れている。輸出は90億ユーロ(約1兆2600億円)もあること示して、ロシアとウクライナが分裂する方向にフランスが位置をとることを憂いていた。

3日のブリュックセルでの欧州議会での討議に先立ち、プーチン大統領は2日にクリミア半島への軍隊出動に関し議会の承認を取り付けていた。これはウクライナと特にクリミア半島ではロシアの戦争布告を意味すると見ている。ジョゼ・マヌエル・バローゾ欧州委員会委員長は今週末までに再び大統領次元での緊急欧州議会を開催して決めてゆきたいと発表した。おそらく6日がその日取りになるものと見られている。