2016年3月30日水曜日

新装のポン・タヴァン美術館 ゴーギャンの「雪のブルトン村」も展示

(パリ=飛田正夫2016/03/30 9:53日本標準時)3年後に新装になったポン・タヴァン美術館が再開する。ポール・ゴーギャン(Paul Gauguin 1848-1903)の作品が少ないためにオルセー美術館は2枚の有名なゴーギャンの絵「雪のブルトン村」(Village breton sous la neige 1886)と、「ポン・タヴァンのラベンダ畑」(Les lavandières à Pont-Aven  vers 1894)を展示できるように貸し出した。ゴーギャンはこのブルターニュのフィニステール(Finistère)地方南部のポン・タヴァン(Pont-Aven)に1886年から1894年にやってきた。ポール・セルジエ、エミール・ベルナールなどの画家たちと共に、後にポン・タヴァン派と呼ばれるようになる絵画の流れ(1888-1894)を生むことになる。ポン・タヴァンは、コンカルノー(Concarneau)から20分ほどだ。画家たちはポン・タヴァンの人間味のある旅籠めいた木賃宿が気に入った。画家たちは宿賃を描いた絵で支払っていた。画家たちはこの土地の風景のバリエーションと伝統的な服装や髪飾りなどに魅了されていた。特にJulia Guillouという田舎旅籠の歓待の良さが気安く泊まるのに気に入られていたという。この時代は構成力の弱い印象派から次第に画家たちは遠のいていく時代で、個々の色のビブラションの手法を去ってより客観的な原色の色彩面割へ向かう傾向にあった。つまりこうすることで印象派が得意でなかった精神的な思想や内面の感情の表現を描こうとしていたのである。具体的には遠近法を使わずに、モチーフとなる対象物を色彩面で分割しその周囲を暗く抑えるといった描き方だ。



新美術館は800万ユーロ(約12億円)を費やしたものでパリのロダン美術館の再建を2015年に手掛けたブルターニュ出身の建築家事務所(Atelier de l’île)が手掛けている。これまでは1885年に市が創設した美術館で2012年頃は年5万人が押し合いながら訪問していたが、今後は総面積は約2倍の1700㎡で、三階建ての建物に展示品は4500点を数える豊富さであるという。時間的系列とテーマ毎の展示がしてある。

ポーツ・セリュジエ(Paul Sérusier)の作品タリスマン(Le Talisman)後の変化が色別に分類されている。紫色はポン・タヴァン派のコンテクスト。赤色はゴーギャンの部屋。灰色は日本趣味。黄色は精神主義の探求。

【参考記事】
http://www.ouest-france.fr/culture/arts/expositions/nouvelle-dimension-pour-le-musee-de-pont-aven-4118417

http://www.ouest-france.fr/bretagne/pont-aven-29930/6-300-visiteurs-ont-decouvert-le-musee-de-pont-aven-4127788
http://www.letelegramme.fr/loisirs/pont-aven-un-musee-de-reference-22-03-2016-11002650.php

http://www.ouest-france.fr/bretagne/concarneau-29900/musee-de-pont-aven-traou-mad-nouveau-mecene-prete-un-gauguin-4080156

http://www.letelegramme.fr/finistere/pont-aven/musee-de-pont-aven-cinq-tableaux-a-ne-pas-rater-24-03-2016-11005834.php


http://www.ouest-france.fr/culture/arts/expositions/nouvelle-dimension-pour-le-musee-de-pont-aven-4118417