2016年2月4日木曜日

独のペギ-ダを狙い カレ市のデモ禁止を仏内相が宣言

(パリ=飛田正夫2016/02/04 2:42日本標準時)ベルナール・カズヌーブ仏内相はフランス北部のカレで1月30日に難民を支援する2000人ほどのデモがあった。その折に難民を援助する左派系の各種団体や協会に交じって、反イスラム主義のドイツの最極右派系人種差別主義グループペギダ(Pegida)のフランス支部がこのカレ市内でのデモに参加を希望していたことがわかった。両陣営の対立がデモでくり広げられることから、ペギダに特に照準を合わせた形でベルナール・カズヌーブ仏内相は3日に、公共の治安を脅かす恐れのある総てのカレ地方でのデモや集会を 禁止した。国営ラジオ・フランス・アンフォなどが報道した。

ペギダ(Pegida)は2014年秋にドイツで誕生した極右主義運動組織でヨーロッパのイスラム化に反対していて欧州14カ国ほどに支部を形成しているとみられている。

カレ市はイギリスへ渡る難民の集合地で、不法キャンプには昨年秋には6000人を数えたが現在は3800人となっている。特に東アフリカや中東やアフガニスタンからの難民で、ジャングルと言われるトイレや水道施設などの殆どない不衛生なバラックに住んでいて、これをギャングが仕切っているフランス随一の不法地帯でもある。

カレ周辺の住民や商店はこの難民キャンプを嫌って立ち退きを要求してきたが、彼らを支援する市民もいて、人権団体などが中心にキャンプ内に住み込んで支援している。昨年10頃から政府はキャンプの婦女子や体の弱い人を対象に1500人を受け入れられる簡易住居の準備を開始していて、現在680人が利用できている。非常に不潔な状況で生活していることは人間の生きる国際法に照らしても許されないものである。カレ市長のナターシャ・ブッシャー氏や北部地方議員のグザビエ・ベルトラン氏などは、国の解決支援策を期待してオランド仏大統領の来訪を求めている。

【参考記事】
http://www.lepoint.fr/politique/calais-les-manifestations-pouvant-troubler-l-ordre-public-interdites-03-02-2016-2015113_20.php


http://www.lemonde.fr/immigration-et-diversite/article/2016/02/03/la-prefecture-veut-interdire-la-manifestation-de-pegida-a-calais-ce-week-end_4858577_1654200.html