2014年5月29日木曜日

フランスが貧乏になる理由 ビグマリオンは税金泥棒事件 サルコジの責任は大きい

ビグマリオンの金の問題だがこれはフランス国の税金を横取りしたということである。フランスが貧乏になる理由はよくみると政府が税金を横取りし不正に掠め取っているのではないかと見られることだ。サルコジが関与したと目されている事件を以下にいくつか提示して国家の税金泥棒事件の性格を見てみた。国民運動連合(UMP)がビグマリオンに支払ったサルコジのための大統領選挙運動資金とは税金である。
1)サルコジの2012年のための大統領選挙運動の架空請求や水増し請求がUMPの強制によってビグマリオン社への請求書が造作されて提出されていた。これを26日にビグマリオンの弁護士が記者会見した。フランス大統領選挙で2%以上の得票があれば運動資金は上限までは国が返還してくれることになっている。この上限まで返還してもらうために資金の上乗せや架空請求書がサルコジ支持党UMPによって画策されていたことを同党幹部で、2012年のサルコジの大統領選挙運動副責任者が26日に、ビグマリオンの弁護士が記者会見した直後にBFMテレビで暴露した。そのために27日にジャン・フランソワ・コッペ国民運動連合(UMP)議長は辞任した。

2)リビアの独裁者カダフィからの20012年の大統領選挙資金援助5000万ユーロ(約75億円)受け取り事件。

3)ベッタンクール事件。オレアル化粧品の大株主で、精神的に不安定であったフランスの億万長者ベッタンクール氏から政治資金として現金を受け取ったという事件で、再度問題化している。

4)サルコジが一番困っているという事件では、権力関与の事件がある。これはジルベール・アジベール(Me Gilber Azibert)弁護士がサルコ陣営に直接にリビアのカダフィからの援助資金問題で今裁判所ではどんな運営が予定されているかを知らせたものだが、これが司法警察の電話盗聴に引っかかった。

この権力関与の事件では、サルコジとその弁護士チェリー・ヘルゾーグ(Me Thierry Herzong)は、今後もアジベールから情報をもらうために、ヘルゾーグが高齢で退職後の行き先を探していることを知っていいたヘルゾーグがサルコジにモナコの国家信議員になれるように一押し手伝う話が司法警察の傍受機にかかって暴露されてしまった。結局サルコジはモナコに行ったがヘルゾーグの希望は実現しなかった。

5)タピ事件。ベッタンクール事件のボルドー裁判所のジャンティ判事は一度は事件が無かったことにしたが、再燃している。その時にサルコジは大統領時代のスケジュールの書かれた手帳が家宅捜査で押収されていたが、それを返還して欲しいと要請した。が、裁判所は他の事件での容疑があるのでそれを却下していた。その手帳にはスポーツ用品の世界的メーカー・アディダス元社長のベルナール・タピとの会合が、エリゼ大統領官邸でのそれも含め7回あったことが記載されていた。1993年以来の当時は国立であったクレディ・リヨネ銀行とアディダスとの係争でタピに都合のよい私設裁判を組織化した疑いがサルコジや当時のクロード・ゲアン内相(前エリゼ大統領官邸書記総監)や、現在の国際通貨基金(IMF)総裁クリスティーヌ ラガルドに及ぶ疑惑だ。この裁判でフランスはタピに膨大な罰金を支払っている。フランスが貧乏になるのは当然なのだ。

6)カラチ事件。バラデューの大統領選挙スポークスマンでパキスタンへの潜水艦売買契約調印を財務大臣として署名をサルコジがした。カラチ事件は2002年5月8日にパキスタンのカラチ南部で起きた事件で、フランス造船局の技術者11人がテロ殺害された。テロ発動の原因は当時フランス政府がパキスタン側に支払っていたコミッションの一部がフランスへ還流していることを知ったシラク大統領が2005年の仏大統領選挙の政敵バラデューを利することになると見て、これをストップさせたことでパキスタン側が造船局員にテロを行なったものと見られるようになった。ここでも(違法)の還流コミッションがフランス側で受け取られていたというもの。これはフランス人の税金である。

7)サルコジ前大統領時代のエリゼ大統領官邸の無用な世論調査の出費事件。サルコジの最大の特徴だと思えるが、数多くの世論調査をしたことだ。これは法務大臣をやっていた友人のラシダ・ダチの父親不明な妊娠に関し世論調査をしたことや、離婚の後でカルラ ブルーニとの結婚を世論調査したことなど、政府の金を自己の保身のために世論調査をしてその資金を税金で支払っている事件で、この調査には公示がなく特定の調査会社との癒着も問題視されている。

8)27日に暴露された、国営フランス・テレビグループの前総局長パトリック・ド・カロリス(Patrick de Carolis)がビグマリオン社から多額のコミッションを5年間に渡ってもらっていたことだが、これとサルコジによる任命の問題は今のところ語られてない。しかし国営放送の総局長はコッペが関係するビグマリオンからコミッションをもらうことは、公共団体の役員でもあり、メディアの中立性を考えても不思議なことである。