2015年12月30日水曜日

シリアのイスラム主義国家(IS)と闘う米連合軍がパリ同時テロ射殺事件の新首謀者の殺害発表

(パリ=飛田正夫2015/12/30 15:43日本標準時)これまで知られてなかった仏人シャラフ・エル・ムーアダン(Charaffe el-Mouadan)の名前がシリアのダエッシュ(Daesh)=イスラム主義国家組織(IS)と戦っている連合国軍のスポークスマン米スチーブ・ワラン大佐から12月24日にこのイスラム聖戦主義者は連合軍の攻撃によってシリアで殺害されたと12月29日に発表された。ムーアダンは同大佐によると11月13日夜にパリで起きたバタクラン・コンサート・ホールなどを襲った同時テロ射殺事件の主犯とみなされるベルギー人のISであるアブデルハミッド・アバウド(Abdelhamid Abaaoud)とは直接に関係していて、その仲間のサミー・アニムー(Samy Amimour)やオマー・イスマイル・モステファ(Omar Ismail Mostefai)を知っているということだ。

ムーアダンは、パリ北東近郊のセーヌ・サンドニ県のドランシー(Drancy)に1989年に生まれた。バタクランの神風の容疑者サミー・アニムーとは友人で、二人でアフガニスタンやイエメンに行こうとして捕まった。2013年にシリアへ行き過激化した。米国防省によるとパリの同時連続テロ射殺事件の頭脳でヨーロッパのテロを準備していた策謀者ということになっている。

しかしフランス側はそれを証明する確実な証拠がないとして即断を控えている。殺害の発表が5日も後であったことに関しては、米仏両国間のシリア情報の完全な連絡協定が以前からなかったことが原因らしい。