2015年7月24日金曜日

二陣営対立の中で、第3回目の欧州議会支援案交渉をギリシャ議会が可決

23日に、欧州議会の債権国側の要求提案に対しギリシャ議会は大多数でこれと交渉することで合意した。これによって24日からの第3回目のギリシャ支援案の論議交渉が開始されることになった。合意はギリシャ議会の総議員数300のうちの230が交渉案に賛成しギリシャのチプラス(Aléxis Tsipras)首相を支える「ギリシャ急進左派連合」シリザ(SYRIZA)の議員の結束も前回の投票時よりも固くなっているが、シリザ議員のなかには、昨日討議された(欧州債務国側の)テキストの中に不動産の借金が返済できない場合には、ギリシャ国内の主要な住居からの追放が記してあることなどに反対する議員がいる。チプラス首相は欧州の債務国側の要求に対して、我々のギリシャの経済と銀行システムの限界で、欧州議会を支配する保守勢力の敵意に満ちた緊縮財政の責めで、我々は困難な状態を強いられていると批判している。ギリシャの借金返済をめぐって欧州議会内での二陣営の対立がある。これは欧州共同体の創設当時からのもので欧州共同体に対する概念がことなっていた。(パリ=飛田正夫 2015/07/24 16:09日本標準時 )
ドイツのように欧州共同体の諸国には二つの水準があるとし中核グループと周辺グループを分けて考えている。そのためにフランスでもこれに同調するジュッペ元首相やサルコジ前大統領などはギリシャを周辺グループへと排除しようという考えでメルケルと一致していてこれを支持しているわけで、もう一方の欧州共同体の概念を主張するオランド仏大統領を批判するわけだ。

フランスなどは欧州諸国内のメンバーはたとえ小国であっても同等の参加権利を持つものとする見解で、欧州共同体に二等国民を作らない主張である。ここには人種差別と経済システムとしての資本主義経済が二等国を必要としてしか成立しないという問題がある。

一方で共同体の内外でやはりこの資本主義経済システムの力学は保存されているのも確かだ。これはいったいどういうことかというと国外国内を問わず貫通しているシステムは強者による弱者の支配ということである。これからの民主主義がどう欧州共同体の中で力をつけながら、この支配をどう乗り越えらていくかが一つの鍵である。その意味でもギリシャのチプラス(Aléxis Tsipras)首相の挑戦は欧州に新しい可能性をもたらすし、このながれを阻止してこれに圧力をかける勢力が必死で蠢いているのは確かだ。

【関連記事】
http://franettese.blogspot.fr/2015/07/imf_19.html

ギリシャ救済でドイツを独裁者と批判 国際通貨基金IMF元総裁のドミニク・ストラスカン



http://franettese.blogspot.fr/2015/07/blog-post_84.html

【参考記事】
http://www.lemonde.fr/idees/article/2015/07/23/la-rigueur-au-coeur-du-projet-allemand-pour-l-euro_4695729_3232.html

La rigueur au coeur du projet allemand pour l’euro

Le Monde.fr |