2011年10月18日火曜日

ルモンド紙ジャーナリストへの電話盗聴事件、仏国家秘密情報局長を検査

オレアル化粧品のフランス第3の富豪リリアン・ベッタンクール氏が2007年のサルコジの大統領選挙への現金贈与疑惑で、これを追っていたルモンド紙のジャーナリストの携帯電話をサルコジ大統領の側近であるベルナール・スクァルシニ仏国内秘密情報局(DCRI)長が盗聴したとする事件で17日、検査を受けた。もしこのようなジャーナリストへの監視や電話盗聴がなされていると情報提供者は恐れて話さなくなってしまい、情報を基にするジャーナリズムが存在しなくなってしまう。「通信の秘密」「職業上の秘密」「個人情報の収集」など犯してはならない個人の権利までもが脅かされることが問題視されている。

※YouTubeで見るをクリックして見てください。


2007年のサルコジ大統領の選挙運動の会計係であったエリック・ブルト元財務相がベッタンクール氏から現金を受け取ったという記事が、2010年夏にルモンド紙に流れた。その情報提供者が政府内部にあることをルモンド紙のジューナリストのジェラール・ダベ(Gérard Davet)氏の使用した携帯電話の領収書明細を使って通話先を割り出してこれを突き止めたというもの。

スクァルシニ氏の弁護士やゲラン内相(前エリゼ大統領官邸書記総監)は同氏を支持して辞任は必要ないのだといっている。17日夜のフランス国営放送テレビA2に単独出演したフィヨン首相もほぼ同じ意見で辞任させることを否定した。 司会者のダビッド・プジャダス氏は、誰もジャーナリストがいなかったためか、フランスの司法を信頼したいとするフィヨン首相の話しをそのまま聞き流している。

スクァルシニ局長の協力者である警視総監のフレデリック・ペシェナー氏も同じ容疑で取り調べられるのは時間の問題であって、局長は即刻にも辞任すべきだとオランド氏は発言した。

裁判所の判決が出てないので、スクァルシニ国内秘密情報局長の任務は遂行できるのだとゲラン内相は発表した。

サルコジ大統領によるA2をはじめとするフランステレビ局の局長任命や裁判所への圧力事件によって裁判官や弁護士、司法書記など司法関係者の抗議デモが何度も起こって共和国の司法の独立が脅かされることが心配されてきている。ジャーナリストへの電話盗聴もフィヨン首相のいうような楽観視できる状況で起きた事件ではないといえる。

 【関連記事】


2010年12月01日





2011年10月05日





現金封筒は「いかに仏政治家へ配られたか?」ベッタンクール元会計士が ...

franettese.blogspot.com/2011/09/blog-post_29.html