2016年2月5日金曜日

アミアンの「旅団の人々」は何故 葬儀参列が許されなかったのか 高速封鎖の裁判開始

(パリ=飛田正夫2016/02/05 11:10日本標準時)4日、フランス北部のソーム県で昨年8月28日夜から29日にかけて高速1号線が15時間ほど「旅団の人々」(gens du voyage)によってブロックされたとする事件の裁判が開始された。当局は24時間近くにわたり道路を封鎖するに至ったとして、キャンピング生活の「旅団の人々」を裁く。しかしこれに抗議する「旅団の人々」が裁判所の周りに集まっている。機動隊も出動している。高速1号線がブロックされた事件の4日ほど前に、アミアンから東南へ30キロ程行ったロワ(Roye)の町で、73歳になる高齢者が19歳の女性とその9カ月の幼児とその義父とを殺害した事件があった。その母親には別の子供が刑務所にいて、葬儀に参列するための仮出獄許可を母親は願い出たが、警察がこれを却下した。これに怒った200人ほどがロワ市の高速料金所に鉄棒などを持って押し寄せてタイヤや樹木に火をつけて抗議したというもの。このロワ市の「旅団の人々」(gens du voyages)というのは単なる移動民ではなくて、土地に定住化(セディマンタション)した人々である。なぜ監視員を着けてでも、父親との別れを見に子供を参列させてあげられなかったのかと、我々は犠牲者で攻撃もしない。テロリストでもないのだと、「旅団の人々」側では言っている。

「旅団の人々」の証言では始めは自分たちが怒ったがタイヤは燃やしてないとテレビ(BFMTV)で話している。国側が暴動の圧力に折れて、翌日10時30分に監視付きで刑務所から家族の葬儀に参列できるようにした。ところが、この事件の成り行きを誰一人として尋問された者がなかったことで批判が拡大していたもの。裁判は被告と原告の責任者が12人ずつの出廷が予定されている。

【参考記事】
http://www.ouest-france.fr/picardie/somme/ouverture-amiens-du-proces-du-blocage-de-la1-par-les-gens-du-voyage-4015635

http://www.20minutes.fr/lille/1779755-20160204-direct-justice-proces-gens-voyage-bloque-a1
http://www.metronews.fr/info/blocage-de-l-a1-par-des-gens-du-voyage-le-proces-a-demarre-a-amiens/mpbd!yykxxMHMK4qE/
http://www.francetvinfo.fr/faits-divers/justice-proces/amiens-des-gens-du-voyage-juges-pour-le-blocage-de-l-a1_1299107.html