2015年11月18日水曜日

ケリー米国務長官 オランド仏大統領訪問で シリア戦略を仏テレビA2で話す

ジョン・ケリー米国務長官は17日にフランスを訪問しオランド仏大統領と会見した。この機会に夜の20時からの仏国営放送テレビA2のニュースのインタビューに答えて番組の最後の方に録画されている。このジョン・ケリー米国務長官の話は、フランスのオランド大統領に合意しそれを支持した対シリア戦略であることが分かった。シリアのイスラム主義国家組織(IS/EI)と闘うが、その本質にシリアの独裁者アサド大統領の国外退去を目標にしているという点が非常によく説明されている。一方、ロシアのプーチン大統領やサルコジ前大統領のアサド支持や地上戦導入の立場を大きく批判したものでもある。きわめて重大なケリー氏の発言であった。(録画では26 :08当たりから32 :23まで)。インタビューはA2のプジャダス・アナウンサー。(パリ=飛田正夫2015/11/18 17:42日本標準時 )
今日は、(ロシア初の大々的なイスラム主義国家組織(IS)への攻撃が開始されたことで、ISは)敗北したように見受けられる展開図となったようだが、このようなコンテクストの中で、特別な人を招待している。米外交の中心者のジョン・ケリー米国務長官で、ケリー氏はフランス支持の意思を表明するためにやって来ていてオランド仏大統領と会見した。ケリー氏は我々のインタビューに同意した。以下がその会見の内容だ。

プジャダス -ケリーさん。こんばんは。
ジョン・ケリー米国務長官 –こんばんは。
プジャダス-我々の要求を受け入れてくれてありがとう。まずは簡単に、

(すかさず、ケリー氏が話しはじめる)

ケリー -どうしてわたしはここに、あなたと、連れて来られたのか?

(プジャダスは笑って、それには答えずに)

プジャダス- (パリの同時テロ事件の後で)あなたの我々フランス人へのメッセージはなんですか?私はあなたが我々の言葉フランス語がわかることを知っていますし、貴方が我々の国に関心を持って来ていることも知っています。

ケリー -我々はフランスとパリの人々とすべて一緒です。まったく恐ろしいことでした。これらは怪物でした。我々は総て知っている。我々はイスラム主義国家組織(IS/EI)ダエッシェに確実に勝利することを確信している。しかし、それには今、勇気を持たなければならない。

プジャダス –2011年の11月11日にはフランス人は、我々はみんなアメリカ人であると言っていたように、今あなた方は、私たちは総てフランス人だというのですね。

ケリー –全くそうです。昨日、私は我々は総てパリジィエンだと言ったのです。我々は家族のように、あなた方は昔の連合国である。ということでそのために常に信頼を持ってあなた方と一緒にいられるのです。

プジャダス –米国はどのようにしてフランスを更に援助できるのか、テロリストとの闘いで。例えばシリアにおける軍事的情報のさらなる共有とかで準備はできているのでしょうか?
ケリー –その通りです。もしよければ私は英語で喋りますがよろしいでしょうか。というのは、他所でも言ってきたのですが、私は毎日フランス語で話しているわけではないので、私の言葉が少し(心配なので)。

(ここから英語になり、フランス語に通訳された。ここでの私の日本語への訳はこの仏語通訳から起こしている。英語とは多少の違いがある)

ケリー -私しはオランド大統領と今朝に会見した。我々は可能な限りの情報交換の必要性を話した。標的に関する協力とか軍事的な強化、軍事面での更なる情報交換をするということである。私はこれが前進することを確信している。人々はそうは言わないかもしれないが、イスラム主義国家組織(IS/EI)は25%の占領地を失った。我々は彼らの上に更なる圧力をかけていく。我々は、彼等の補給路であるムラールとアカの間を切断した。シラクとイラクでの出来事をでいるだけ早く、終わりにしなければならない。

プジャダス –最近の空爆はスピードを増してきたのか、今後も同じリズムでやるのか?

ケリー –それは標的によって変わってくることは明快だ。一般的な答えとしては、その通りでウイとなる。我々は最近、160台の石油を運ぶトラックを破壊するための襲撃を行っている。それがダエッシュの収益であることは誰も知っている。ダエッシュはイラクとトルコと石油の密輸をしている。これは財政的に重要だからだ。我々はこれを止めさせたい。私しは、爆撃を加速化することで、イスラム主義国家組織(IS/EI)はますます苦しくなると思える。それは不幸にも若者たちを、神風に変身させて、不幸にも他の人を殺害するという、激励する可能性を全く意味していない。この種のテロリズムとの闘いの難点とは、神風はそこで一回だけ成功すれば十分であるということなのだ。

プジャダス –しかしながら、多くの専門家はこの戦争を地上戦なしでは勝てないと見ている。あなたの国は世界で最強の軍隊を持つ、アフガニスタンやイラクでの戦争が困難になり負けてしまったので、あなたは地上軍を送ることを欲しないのか?

(ここでケリー氏はフランス語で話し出す。ケリー氏自身が通訳を介さずに言う事の、重要性を感じたからだろう。)

ケリー –そういう事ではないのです。その戦略が本当に最高のものではないと、誰もが考えられるからなのです。

(ここでのジョン・ケリー米国務長官の意見は、プジャダス氏の言った、「多くの専門家はこの戦争を地上戦なしでは勝てないと見ている」という、おそらくはプジャダス氏の個人的な主観的見解を、「専門家」に名を借り客観視させようとした発言だろうが、これを否定するものだ)

この国に住んでいる人々が、イスラム主義国家組織(IS/EI)を外に出し、そして権力を握りたいと考えだして来ている。そういう事から政治的な解決が非常に重要なのである。初めて我々はロシアとイランをこの交渉のテーブルに着かせることに成功した。今後の来るべき週に、月ではなく週であるが、我々はアサド(Bachar el-Assad)の取り巻きと、反アサド体制派と会い、我々は停戦の約束を得る。我々は停戦合意が数週間後には得られると考えている。その後に、我々は暫定移行政権を置き、アサド体制反対派と一緒に軍隊勢力として、イスラム主義国家組織(IS/EI)と闘う可能性がある。最も効果的な解決法とはこれなのである。

プジャダス –とういうことは、あなたはシリアのアサドの国外退出で、シリアがロシアと大連合を組みロシアと交渉することを好意的に取ってないことを意味するが。

ケリー –そうではなくて、シリアのアサド(Bachar el-Assad)大統領の国外退出は本質的なもとして残っているのである。それは私が言い、フランスが言い、別の国が言ったからではないのです。それは、もしアサドが残っていたのならば、あなたは戦争を終結させることができないからなのです。アサドは総ての外国の戦士がシリアに戦争しにやってくる磁石のようなものになっている。アサドは立ち去るほかはない。アサドは彼の国民の信用を総て失っている。自分の国民に毒ガスをまき、爆弾を自国民に仕掛け、自国民を餓死させ、拷問し殺害した。国外に逃亡した人々を国に戻し、国を治めるどんな正当性がアサドにあるというのか?世界がアサドを出て行くべきだと言っているのではない。アサドが出て行くべきなのは、それはシリア人が沢山苦しんだのだから、最後まで彼に反対し、出て行くまで闘おう。

プジャダス –我々の質問に答えてくれて感謝します。

ケリー -どういたしまして。


【参考記事】
http://www.francetvinfo.fr/replay-jt/france-2/20-heures/jt-de-20h-du-mardi-17-novembre-2015_1168943.html