2016年2月20日土曜日

トルコとロシアの戦争が懸念 オランド仏大統領が国連安保理の秘密会議を話す

(パリ=飛田正夫2016/02/20 12:34日本標準時)オランド仏大統領は19日に、トルコがシリアでの戦争に巻き込まれていることで、トルコとロシアとの戦争の危険性が拡大していると話した。今それで、国連(ONU)の安保理諮問委員が集まっていて、国連安保理では19日15時(20時00 GMT)からシリア危機に関し秘密裡に会議がもたれているのだと、ラジオ・フランスアンテー(France Inter)で話した。オランドは、ロシアのプーチン大統領がシリアのアサド支持を辞めないだろうと語り、シリア危機でロシアが解決のための協議から離れるのを望まない。私がロシアに出かけて行ってプーチン大統領を説得すると言っている。シリアの暫定政権移行に関してはみんな揃ってやらなければならないと話した。しかし私は交渉の間に市民を爆撃することは受け入れられないのだと言っている。我々が政治的な解決を求めることはロシアにとっても良い筈であると付け加えた。背景にはロシアの飛行機が国境侵犯で撃ち落とされたりした事件もあるが、ロシアがアサドの嫌うシリア反体制側の市民が難民となって近隣に流れ出ていてトルコは250万人もすでに受け入れているという事情もあるようだ。

シリアとロシアの連合に対するフランスの立場は明快だ。これまでにもアサドの国外退出を迫って来たののはフランスなのである。米国は世界に君臨してきた国だと考えられているが、今は昔と異なり後退しているとの評価がフランスにはある。

2013年にオランド仏大統領は、シリアのアサド政府軍が化学兵器をシリア反体制側蜂起市民に対し使用した時に、フランスの抗議に対し米国はフランスを見捨てたのであった。一体誰がそこで行動したのか?誰がそこに立ち会ったのか?誰が、民主主義の価値を擁護し守ろうとしたのか?それはヨーロッパでありフランスなのであるとオランド仏大統領は結論するのである。

サルコジ前大統領は2008年7月14日のパリ祭に独裁者アサドを仏大統領官邸エリゼ宮殿に招待しコンコルド広場でパリ祭の革命式典を閲兵させている。その後もアラブの春がチュニジアから2010年12月に開始され、北アフリカは次々と独裁者が倒れていく。こうしてオムスの町でアサド独裁に反対するシリア反体制派蜂起市民に大砲が撃たれる弾圧事件が2011年3月中旬に起きたのであった。ドミノの影響を恐れた親子二代に渡る独裁者アサドは年末にエリゼ大統領官邸のサルコジに助けを求めに来たようだが、この報道は殆どされていない。

【参考記事】
http://www.journaldemontreal.com/2016/02/19/intervention-turque-en-syrie--risque-de-guerre-avec-la-russie-previent-hollande

http://www.20min.ch/ro/news/monde/story/-Risque-de-guerre--entre-la-Turquie-et-la-Russie-24575826
http://www.europe1.fr/politique/syrie-un-risque-de-guerre-entre-la-turquie-et-la-russie-2672845