2014年7月1日火曜日

フランスの大統領として初めて ニコラ・サルコジ前仏大統領が拘置

調査が急速に進み、サルコジ前仏大統領が7月1日朝に拘置(フランスでは2・3年前から「身柄拘束」の表現は使用しなくなった、「拘置」との違いはルモンド紙の日本語解説記事を参照)されたい。フランスの大統領としては初めて。パリ西郊外のナンテールの「税金と財政汚職違反取り締まり仏中央局」で目下取調べがなされている。「国家機密情報侵害」と「権力関与」による「公共資金悪用」の隠滅容疑でサルコジ氏は1日朝8時ごろから、40時間の拘置がなされた。サルコジ氏の弁護士チェリー・ヘルゾグ(Thierry Herzog)とサルコジに親しい2人のジルベール・アジベール(Gilbert Azibert)裁判官及びパトリック・サソース(Patrick Sassout)最高裁重犯罪検事とは、6月30日以来、国家機密情報侵害」と「権力関与」による「公共資金悪用」の隠滅容疑で、ナンテールの「税金と財政汚職違反取り締まり仏中央局」で取調べが続いている。

サルコジ氏の拘置は予測されていたものだ。ルモンド紙のダベ記者によるとサルコジ問題は余りにも錯綜していてわかりにくく仕組まれていてこれがこれまで成功してきている。これを仕掛けた犯人がいるはずだと見ている。

今回のサルコジの拘置は、蛸の足のような広がりを見せる奇怪なサルコジ事件解明への一歩で、リビアのカダフィからの2007年の大統領選挙運動資金提供やベッタンクール事件での現金受けとり、カラチ事件の還流コミッション事件、架空請求書支払いのビグマリオン事件、モナコ国家審議員天下り一押し事件、アディダス元社長タピ優遇私設裁判事件、2010年プーチンへの哨戒艦船売買事件、シリアのアサド支援、トゥルーズ・モントーバン連続殺人メラ事件、2005年の郊外青年暴動事件など多くの事件の中心に常にサルコジの名前があがっている。

サルコジ側でも今回の拘置を納得している者も多い。裁判所の独立した仕事を信頼して、サルコジのキャビネ・ノワーを暴く、今後の展開を望む司法者の意見も多い。最後まで裁判所はやるべきだと社会党側では農相のステファン・ル・フォールはいっている。いまのところサルコジの最側近のダチ、ニース市長、オルトフー、カロチなどは何もコメントをだしてない。

【これまでの経過】


6月30日にフランスの2人の高等裁判官が逮捕されて拘置されていると朝のラジオフランスアンフォが報道した。2007年仏大統領選挙運動でサルコジ氏がリビアの独裁者カダフィから現金を受け取っていた容疑で、サルコジ氏はフランス警察によって盗聴されていた。この盗聴から偶然に、ベッタンクール事件の最高裁での運営手順(国家機密)がサルコジに流れている会話が入っていた。これで裁判所内部に情報源があり、これを流したとされるジルベール・アジベール(Gilbert Azibert)裁判官とその友人のパトリック・サソース( Patrick Sassoust)最高裁重犯罪検事とが6月30日早朝にボルドー市の自宅で逮捕され「国家機密情報侵害」と「権力関与」などの容疑で拘置されたわけだ。

サルコジ氏とサルコジ氏の弁護士チェリー・ヘルゾグ(Thierry Herzog)との会話が盗聴録音されたが、そこでは裁判所内部の情報源者であったアジベール裁判官が退職後の天下り先にモナコ国家審議員の席を希望していることを知っていた友人のヘルゾグ弁護士がサルコジ氏にこれを話し、一押しすること(権力関与)で、引き換えに気になるベッタンクール事件の裁判運営情報を手にいれようと相談している会話が盗聴録音されていた。

アジベール裁判官はサソース最高裁重犯罪裁判官と協力してサルコジが関係するベッタンクール事件での裁判所内部の情報を手に入れたが、アジベールはモナコの席を報酬に手にしてはいない。

この事件で今週は多くの召集が予定されていて、サルコジの出頭もかなり確実になっていると報道されている。


【関連記事】


http://franettese.blogspot.fr/2016/02/blog-post_18.html
二つの起訴を持ったサルコジに、競争相手のジュッペ元首相も涙の弔い

ビグマリオン事件の第二段階は 起訴はコッペでなくサルコジ

サルコジ仏前大統領の「拘置」そして「起訴」ルモンド紙の解説から


サルコジへの電話盗聴から モナコ国家審議員推薦とベッタンクール裁判運営情報の取り引きが浮上

携帯盗聴でサルコジ前仏大統領が裁判官に約束したのは「ベッタンクール裁判情報提供を条件にモナコ公国国家審議員の席を交換」



仏司法警察はサルコジ出廷を狙い 高等裁判官2人を拘置 サルコジの弁護士も公権悪用で出頭