2016年2月4日木曜日

パリ最大のロマ人キャンプを撤去 前夜に大勢は自主移転

(パリ=飛田正夫2016/02/04 9:15日本標準時)パリ北部の第18区クリニャンクールの門近くのロマ人274人ほどの家族の撤去・移転が3日朝7時15分から始まり9時15分には終了した。撤去の理由はここで結核などの伝染病が発見されていて、衛生の問題からだと県庁ではいっている。撤退はパリ裁判所が昨年秋に決めていたものだ。2日の夜から既に自主的なロマ人の移転が始まっていて、その大多数は朝には、別のキャンプへと移ってしまったという。約80人ほどが当局の用意した仮の住居施設やホテルに移り住むことになりバスで移動していった。ロマ人たちは自分たちの貧民キャンプの撤去を受け入れるのは、フランスから国外追放になるのを恐れているからで、とりあえず駐車場や駅などで夜露をしのぐことになるのだという。

場所は、プチット・サンチューと呼ばれる旧パリを取り巻く環状線の電車路線でポワソニエーの門とクリニャンクールの門との間だ。家事や暖房を取るストーブは火災の危険性があり、電気も水も無くトイレの施設も無い非衛生な環境にロマ人たちは住んでいた。アソシエーションの支援者の発言では、ホテルに移り住んでも最終的な解決策にはならず、彼らは別の貧民キャンプを作ってそこに移り住んでしまうのですと話す。

テレビ(BFMTV)のあるジャーナリストは、家屋を撤去されて移転していくロマ人の話しだとして、我々はヨーロッパ人なのにどうして権利がないのか?と言っていたと書いている。国営ラジオ・フランス・アンフォでは、家財道具を持って退去していく男性にインタビューし、我々は犬やネズミと同じ扱いを受けていると語ったのを録音報道した。

このロマ人貧民キャンプは、最近は多い時では約400人ほどが掘っ立て小屋に住んでいて、パリ最大のロマ人キャンプとなっていた。

【参考記事】
http://www.rtl.fr/actu/societe-faits-divers/paris-evacuation-imminente-d-un-campement-de-plus-de-250-roms-pres-de-la-porte-de-clignancourt-7781675909

http://www.lemonde.fr/immigration-et-diversite/twitter/2016/02/03/evacuation-du-campement-de-roms-porte-de-clignancourt-a-paris_4858366_1654200.html
http://www.franceinfo.fr/fil-info/article/evacuation-du-camp-de-roms-porte-de-clignancourt-les-expulsions-sont-contre-productives-conseil-de-l-763671
http://www.franceinfo.fr/fil-info/article/evacuation-en-cours-du-camp-rom-de-la-petite-ceinture-paris-763525
http://www.bfmtv.com/societe/paris-evacuation-d-un-important-camp-de-roms-948496.html
http://www.franceinfo.fr/emission/expliquez-nous/2015-2016/expliquez-nous-un-bidonville-03-02-2016-13-47