2016年1月22日金曜日

サルコジの昼食会に地方代表議員らが招待ボイコットで 会は中止に

(パリ=飛田正夫2016/01/22 5:43日本標準時)サルコジ前大統領が自分で作った「共和党」(LC)(前の国民運動連合UMP)の党首となっているが、サルコジは1月20日の昼食会に地方選挙で今回勝利した議員を招待した。ところがこれを受け入れたのはオーベルニュ・ローヌ・アルプス地方で勝利したローラン・ウィキーズ(Laurent Wauquiez)とロワール地方で勝利したブルノ・レタイユー(Bruno Retailleau)の二人のみだった。招待をボイコットしたのは、サルコジの最側近で有名だったニースの市長で今回、パッカ(プロヴァンス・アルプス・コートダジュール)地方で当選したクリスチャン・エストロジィChristian Estrosi氏や北部地方から出馬して当選した元労働大臣を務めたグザビエ・ベルトラン(Xavier Bertrand)氏や、元高等教育相を担当しイルドフランス地方で勝利した日本語もしゃべるヴァレリー・ペックレッスさん、またACALの会長フィリップ・リシャー(Philippe Richert)氏などはサルコジの招待を断った。第二次決選投票で、ル・ペン党のナチズムに反対する左派票に支持されて極右派系国民戦線(FN)のマリーヌ・ル・ペンに勝つことができたからである。しかしサルコジはこの左派の作戦を拒否して、一人で「ni-ni」作戦に出て、自党「共和党」(LC)議員からも、顰蹙を買っていたことがこれで明快になった。


サルコジの自分だけ良ければ良いとし、フランス国民がたとえル・ペンの極右派系国民戦線(FN)のファシズムに落ちこんでもかまわないとする危険な政治の遊びが見えてきたのである。先ずはフランス国民を分断化して、右傾化の流れに引き入れた所で、サルコジの登場という計画であったことは間違いないのだ。それで、「共和党」(LC)内部からも国民をもてあそぶ余りにも危険な遊びであるという認識がでたのである。
それが、「共和党」№2のナタリー・コシウスコ・モリゼ(NKM)の地方選挙最中でのサルコジ批判の要点であった。だから、優秀なヴァレリー・ペックレッスさんは、サルコジと同一視されることを嫌って、自分の選挙演説後援会にサルコジを招待しなかったのである。

「共和党」(LC)議員といえども選挙民を裏切ることは出来ないので、サルコジよりも恩を感じているということである。つまりファシズムか?民主主義か?という重大な問題がこの背景に存在していることが感じられるかどうかということなのである。

それで、みんな出席を辞退したのである。サルコジの招待を受け入れたのが二人しか無い為に、サルコジはこの20日の昼食会を中止した。

サルコジは地方選挙直後に、「共和党」№2のナタリー・コシウスコ・モリゼ(NKM)さんを追放し、その後釜にウィキーズを置いた。サルコジは悪口を叩き、二度とテレビに出ないようにしてやると彼女に言い放った。
医者で「共和党」(LC)議員のミッシェル・ドブレ氏は、サルコジのイメージは2012年のビグマリオン選挙資金違反事件と共に悪いとはっきり言っている。


【参考記事】
http://www.lepoint.fr/politique/les-indiscrets-du-point-nicolas-sarkozy-lionel-jospin-gerard-larcher-21-01-2016-2011430_20.php

http://www.dna.fr/actualite/2016/01/21/les-presidents-de-region-lr-dont-philippe-richert-auraient-decline-une-invitation-de-nicolas-sarkozy

http://www.franceinfo.fr/actu/politique/article/nkm-dans-le-viseur-de-nicolas-sarkozy-760137
http://www.franceinfo.fr/actu/politique/article/nkm-dans-le-viseur-de-nicolas-sarkozy-760137