2014年9月13日土曜日

サルコジ疑惑の渦中で シラク元仏大統領婦人がサルコジの仏大統領選挙出馬を提言 

12日、シラク元仏大統領婦人のベルナデット・シラクさんは2017年の仏大統領選挙にはサルコジは国民運動連合(UMP)のトップとして出馬しないほうがよい。サルコジ氏はそれに全然ふさわしいレベルではないというのである。そしてナポレオンのように将軍には兵士が必要であり自分がその兵士になるとラジオヨーロッパ1.で宣言した。今回のベルナデットの発言は各党がそれぞれ仏大統領選挙候補者を決める党内予選選挙(プリメール)を避けることを当然視する発言で、サルコジを無党派で出馬させたい模様だ。国民運動連合(UMP)内部がビグマリオン事件で決定的に不信感が渦巻いているために、サルコジのプリメール候補での選出は危険視され回避したいからだ。

ベルナデットさんの夫のシラク元大統領はパリ市長時代の架空雇用汚職事件で有罪判決がでていて、目下は病気を理由に自宅療養中である。婦人はサルコジが大統領時代にシラクのことで世話になっているらしい。

ベルナデットさんの考えは、とにかく出れば他につわものは多くはないために勝てるという考えであるようだ。しかしサルコジをめぐる犯罪容疑は非常に多く、これらの容疑を晴らさない限りは仏大統領選挙に出るレベルではないことは確かだ。サルコジには以下のような疑惑が渦巻いている。

パキスタンにアゴスタ潜水艦(90B)とサウジアラビア(Arabie saoudite)にフリガート艦船(Sawari I)を売り込んだ見返り還流賄賂事件のカラチ事件。

仏の高齢の富豪ベッタンクールから選挙運動資金の現金受け取り事件。

裁判官を動かした機密取得事件。

リビアの独裁者カダフィからの大統領選挙資金受け取り事件。

タピ優遇私設裁判事件は昨日12日にルモンド紙が記事を出し、タピはリヨネ銀行に損害を与えてないので損害賠償の訴えは可笑しいことを再確認する証拠記事をだした。当然タピに巨額の弁償金を払わせることになった私設裁判法廷を組織した当時の経済相・現国際通貨基金(IMF)総裁クリスティーヌ・ラガルドやそれを統括する当時大統領であったサルコジなどが事件に無関係ではないことがより明らかになってきている。

UMP事務総長で2012年のサルコジの大統領選挙運動の副責任者ジェローム・ラヴリヨウが5月26日のBFMテレビに出演し、選挙運動資金の二重請求書による巨額の使途不明金やサルコジの架空講演会などを暴露した。このことでジャン・フランソワ・コッペUMP前議長は辞任している。

【参考記事】
サルコジが次の仏大統領選挙に立候補声明を出せない本当の理由