2014年6月18日水曜日

「メディアパー」が暴露 サルコジが使った請求額の25億円分が不明

政治の真実を追うネット・新聞「メディアパー」本社 (写真撮影は筆者 )

 ビグマリオン(Bygmalion)の子会社Event & Cie社の会計士によるとサルコジ氏は2012年の仏大統領選挙候補として架空講演会を運営することで二重帳簿をつくり、1700万ユーロ(約25億5千万円)を隠蔽していたことが政治の真実を追うネット・新聞「メディアパー」によって17日に暴露された。司法調査筋によると、その資料がUSBに入っているのが調査官の手に入っているということだ。

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UMPの圧力の下にビグマリオン社が偽造したと見られる偽請求書はサルコジ氏の大統領選挙運動の44回あったとされる講演会での会場運営出費の計上金額である。秘密の請求書は通常経費の3倍から7倍で記録されていた。

そのため政治の真実を追うネット・新聞「メディアパー」によるとサルコジ氏の2012年の大統領選挙候補運動の経費は3900万ユーロ(約58億5千万 円)を超えていて、これはフランス国が返済する上限額2250万ユーロ(約33億7千万円)をはるかに超えているもので、2013年7月の憲法審議会の判定が単なる小さな行き過ぎなどではないことが今回明らかになった。

差額の1650万ユーロ(約25億 円)の行方がサルコジ氏周辺でどこに隠蔽さえたかが疑問視されている。

2012年のニコラ・サルコジ候補の大統領選挙運動資金の出費が違法な請求書偽造であったことが内部告発されたのがビグマリオン(Bygmalion)事件だ。内部告発をしたのはサルコジ候補の大統領選挙運動副責任者でコッペ国民運動連合(UMP)前議長の右腕だったジェローム・ラヴリユー氏だ。同氏はパリ検事によって進められている予備調査で司法警察のアンチ-汚職局の職員によって法廷に引き出された。

5月26日に、ラヴリユー氏の内部告発の後でコッペUMP議長は質問され、それに答えて大統領選挙運動での使用資金許可額の上限を上回っているのは、ビグマリオン社によって不正に書き直された請求書であることを認めている。

 ビグマリオン社の弁護士によるとこの偽請求書はUMPの圧力下で書かれたものだとの告発が5月26日に、BFMTVでのラヴリユー氏の内部告発発言の少し前に記者会見で発表されている。

  5月末にはUMP内外の批判が高まりコッペ国民運動連合(UMP)議長は辞任した。しかしだれがこの架空請求書を作らせたのか?サルコジ候補の周辺ではこの事実を知っていたのかが調査の焦点になっていた。

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  【参考記事】

 Mediapart publie la comptabilité complète de Bygmalion

Bygmalion : la garde à vue de Jérôme Lavrilleux levée

http://www.franceinfo.fr/actu/politique/article/bygmalion-la-garde-vue-de-jerome-lavrilleux-levee-504631

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Affaire Bygmalion : Jérôme Lavrilleux en garde à vue