2015年9月9日水曜日

人権無視の独裁国へ ヘリコプター売買「サルコジに賄賂はあったのか」 アゼルバイジャン大統領を前にオランドが返答

9月7日の深夜に11時05分から2時間に渡る長時間のルポが放映された。テーマは人権擁護を信条としているフランスの大統領が人権の尊厳が踏みにじられている独裁者の国々を訪問し、議員や実業家を数十人も随行させて多額の企業契約や土産物をもらっているのは正しくないのではないかという視点での取材だ。それを国営テレビA2のエリズ・ルセ(Elise Lucet)を中心にしたジャーナリストに指摘されたオランド大統領が、アゼルバイジャン大統領イルハム・アリエフ氏と聴衆を前にして、問題はヘリコプターを売買したことにあるのではなく、コミッションを貰っているかどうかだと、国営テレビA2のジャーナリストのインタヴューに返答した。(パリ=飛田正夫2015/09/09 9:21日本標準時 )

2014年5月のオランド大統領の訪問の場合には、随行員はアゼルバイジャン側から招待されている実業家がたまたまオランダの同じ飛行機で招待されオランドの随行員のように見られているのも不思議だ。その点をテレビ聴視者へ明快に言明するところがルポでは弱かった為にサルコジのカザフスタンとのパリでの2011年のヘリコプター契約20億ユーロ(約300億円)の手数料賄賂1200万ユーロ(約18億円)疑惑カザクゲート(Kazakhgate)と重なって見られたこともこのルポでの複雑さを作っている。

番組の展開の仕方に多くの問題があるようだ。一つはこれは誰を問題にしたかということだ。問題の焦点はオランドなのかサルコジなのかすぐには良く分からない編集である。

番組の最後の方までみているとその問題は深夜放送での2時間は長く殆どのフランス人はオランドを中心に人権無視の独裁者の国を訪問することを問題視したあたりで、テレビを消すのではないかと思える。

ルポではアゼルバイジャンに招待されたコニャック市長が高価な絨毯を土産にもらったり、市庁舎の修復工事を無料で提供してくれる代わりに、アゼルバイジャンの催しなどをそこで開催できることなどを受け入れていると報道している。

上院議員のナッタリー・グオウレさんも彼女のオルヌ県の教会修復資金として15万ユーロ(約2250万円)の小切手を2013年に受け取っているという。

このルポには、国営テレビA2のジャーナリストのエリズ・ルセ(Elise Lucet)がカザクゲートでぶら下がり質問をサルコジ前仏大統領にして見せている場面などもあるが、演技のようにも見える。