2016年10月7日金曜日

シリア東部のアレッポ全滅まじか 米仏独が市民殺戮のロシア支援の蛮行に抗議 

(パリ=飛田正夫 日本時間;‎‎‎07/‎10/‎2016-23:54:36)国連安保理は7日、ロシア軍のシリアのアレッポ(Alep)東部の蜂起市民の地区への爆撃で壊滅的な危険を呈して市民が殺戮されていることを話しあった。3日にはロシアと米国との交渉が決裂していたが、このロシア支援の蛮行を許さないフランスは、ジャン・マルク・アイロー仏首相がロシアとワシントンを訪問し、市民殺戮の野蛮に抗議し国連安保理に決議案を7日に要求した。ドイツのメルケル首相の政府スポークスマンのステファン・セイベルト氏はベルリンの定期記者会見で、最終的にはシリアに平和のチャンスをもたらすことだが、総ての可能性を捨てたわけではないと語った。メルケル独首相はロシアはアサドに非常に強い影響力を持っているので市民団体がアレップに入れるように、この悲惨な戦争を出来るだけ早く終わりにしなければならないと、7日ドイツ東部のマクデブルグ(Magdebourg)でのメルケル首相のキリスト教民主同盟(CDU)の集会の折に語った。オバマ米大統領はシリアのアサド(Bachar el-Assad)とそれを支援するロシアに新たな制裁を行うだろうと米外交官などが話しているという。しかしながら米高官によると、米国は欧州や他の連合諸国と強調して行動していて、米軍がアレップへ軍事介入することはないと言っている。


前ロシア国連大使で現ロシア外相のセルゲイ・ラブロフ(Sergueï Lavrov)氏は、ロシアは国連のアレップ提案を受け入れる準備があると7日に答えた。

ロシアのシリア東部アレッポへの空爆では25万人以上いる市民とこれに混じっている数百人のダエッシュ=イスラム主義国家組織(IS)とを見境なく爆撃していて、これが続けばあと2カ月後にはこの地区が完全に壊滅されるとシリア人権監視団体(OSDH)のスタファン・ミスツラ(Staffan de Mistura)氏は言っている。


欧米が指摘するシリア第二の都市での戦争犯罪についてはシリアの独裁者アサド(Bachar el-Assad)大統領は町の病院やインフラを破壊してはいないと主張し、米国とロシア側の意見が喰い違っている。

2011年末にシリアの独裁者アサド大統領がシリア市民の民主化を求める蜂起を弾圧してから既にこの5年間で30万人以上が死亡し、家を失った流民は千万人以上で国の半分の数を超えた。米国はロシアとのシリア停戦交渉を停止した。しかしフランスはこの停戦を諦めずにフランスのジャン・マルク・アイロー外相はモスクワを訪ねたがロシア外相は顔を出さなかった。

その足で7日のワシントンでのアレッポ(Alep)停戦を目指した解決案計画の中で市民救済の人権団体の参入の可能を開こうとしている。しかしフランスの国営ラジオ・フランス・アンフォは7日朝の放送で、モスクワを訪ねても仏首相は相手にされず誰れにも会ってもらえなかったと馬鹿にした話し方で笑い者扱いして話している。この国営ラジオは時々可笑しなことを言うジャーナリストがいるようだ。

スタファン・ミスツラ氏は、外交交渉での解決で別の案を考えている。それはシリア政府とロシアが要求しているもので、シリアのファタ・アル=シャム戦線(Front Fateh al-Cham、前のアルカイダ系アル=ヌスラ戦線Front Al-Nosra)がアレップ東部から出て行けば、爆撃を辞めると言っていることから、その退出を要求してきていた。

【参考記事】
http://www.europe1.fr/international/syrie-la-russie-ouverte-a-un-apaisement-a-alep-2867158

http://info.arte.tv/fr/afp/actualites/syrie-le-conseil-de-securite-discute-dalep-ou-les-forces-proregime-avancent