2016年10月8日土曜日

モロッコ下院選挙でイスラム主義の「正義と発展」党が勝利

(パリ=飛田正夫 日本時間;‎08/‎10/‎2016‎‎-21:46:36)14日のモロッコの下院議員選挙では5年来モロッコを統治してきたイスラム主義の「正義と発展」党(PJD)が最大数議席を席捲し勝利した。PJDアブデリハ・ベンキラネ首相は全議席395の内の125議席を獲得した。ライバル政党のリベラル党の「現代と真実性」党(PAM)は102議席であった。人口3400万人で有権者の600万人が投票した。投票率は43%で低かったと8日午後(90%開票時点)のモロッコ内相モハメッド・ハサード氏の発表を、フランスのメディアが報道している。
国王は下院議員への権力制限を「アラブの春」の圧力の中で合意していたのが、その5年後を経過して実現した下院議員選挙は国王が最高権力者であるモロッコの立憲君主制の試金石の意味もあった。

「正義と発展」(PJD)党はしばしばエジプトのフレール・ミュズルモン(Frères musulmans)と比較・同一視されるが同党はこれを拒否している。PJDは現在イスラム教世界で唯一の政府政党である。どの政党も過半数を得ることが無かったために、共闘連合が組閣形成に必要となった。


【参考記事】
http://www.lecho.be/economie_politique/international_elections/Maroc_les_islamistes_vainqueurs_des_legislatives.9818018-7778.art?ckc=1&ts=1475927661
http://www.europe1.fr/international/maroc-les-islamistes-sur-le-point-de-remporter-un-second-mandat-aux-legislatives-2867698
http://tempsreel.nouvelobs.com/monde/20161008.REU8696/au-maroc-les-islamistes-du-pjd-ont-remporte-les-legislatives.html